映画の話

理由 特別版
村田雄浩 宮部みゆき 大林宣彦 寺島咲

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角川エンタテインメント 2005-04-28
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おすすめ平均 star
starスタイリッッシュな意欲作、でも...
star見応えあり
star手緩い社会派ミステリー

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宮部みゆきの第120回直木賞を受賞したベストセラー小説を、名匠・大林宣彦監督が完全映画化した問題作。東京の超高層マンションで起きた一家4人殺人事件。しかし、さまざまな証言や調査の結果、被害者はみなまったくの他人同士であったことが発覚する……。
出演者107人をみな主役とみなし、しかも全員がノーメイク。またドキュメント・タッチの中に下町の情感を忍ばせた撮影や編集、時に人工美を際立たせる照明、ジャズを効果的に用いた音楽など、実に大胆な実験的手法を駆使しながら、原作の世界観を見事に映像化させつつ、殺人事件が皮肉にも多数の人々の絆を結んでいくという現代の悲劇を濃密に描出していく傑作である。対になった超高層ビルの全景がNY貿易センタービルを彷彿させるのも意図的なもので、そこには21世紀における映画のありようを提示したいという監督の真摯な想いが如実に反映されている。なお本作は劇場用映画として製作されたが、まずWOWOWでオンエアされ、その後若干の修正を施して劇場公開された。

このブログ一番最初に書いた宮部みゆきの「理由」です。監督は以前関係ない話で書いた「大林宣彦」監督です。



私の感想です。2時間半でこの作品を収めた手腕はすごいと思います。原作を映像化するに当たっての解釈は見事です。「最後」まで「すごいな〜」と思ってみてました。この監督はこういった手法は得意ですが、それを全編にわたってやった事がすごいです。監督久々の「やったぜ」っていう作品です。


が、細かいことを言うと、もう劇中劇的なシーンを入れるのはやめましょう。「北京的西瓜」でも使った手法はちょっと冷めます。あと「ラスト」のほうはどうにかならなかったでしょうか。「座敷女」的な都市伝説風に感じるラストは違うんじゃないかと思います。エンディングの歌も・・・。


しかし、107人全員誰が誰って、1回見ただけで言える人はすごいな。