13冊目は加納朋子「ななつのこ」−その②

wakkey2004-10-19

 加納朋子ななつのこ」のその②です。
 いやー、面白かったです。本の薄さに癒され(でも、この内容で厚かったら逆につらいかも)、内容に癒され。
 私は生まれて初めて人の殺されない「ミステリー小説」を読みました。この作品のように日常の色々な事にこんな想像をめぐらしたら楽しいだろうなーと思います。ただいつもこんなだったらただの空想癖ですけど。
 「ななつのこ」もその中の「ななつのこ」も約半分は事件に対して想像の解釈で、「本当にそうなのか?」って言うところもあるけれど、それも作者から読者に対して「想像してごらん」と言われているようで、つい「いや違う、それはこういうことなんじゃないか」って考えてしまうのも、術中にはまっているのでしょう。
 主人公の駒子の周りにおきることには色々な想像の発展があるけど本人には何の発展が無いのがまたやられました。正直、駒子と文通をしている作者との間に何か恋愛的なものがおきるのかなーと思っていたら、何にも無く、仕舞いにはあのオチ。全編通して、ホンワカワカワカ。
 こういう小説もあるんだなー。って、これもミステリィ小説なのか。ミステリィ小説って分からないって言うより、すごい可能性のあるジャンルなんだな。人が殺される事がミステリィの大前提と思っていただけにちょっとびっくり。
 ミステリィとかじゃなく他のジャンルが好きな人にもお勧めできます。
 次は「空飛ぶ馬」行きます。

 
 
 とうとう「そして誰もいなくなった」の返却期間が来てしまった。窓口で、借り直しました。一緒に「空飛ぶ馬」と「フリッカー式」を借りたけど、2週間以内に読めるんだろうか・・・。